【第 77 話】 タメ人参◆i.m1cVbrghng 様
『真夜中のタクシー』
六年ほど前の話です
季節は1月で冬真っ只中の本当に底冷えする寒い時期でした
その日は仕事終わりに友人と居酒屋で飲んでまして、飲みが終わったのは2時頃でした
友人とは帰る方向が真逆という事で友人とは別々のタクシーに乗って帰る事にしました
居酒屋からタクシーを呼んで一台先に着たので友人を先に
僕は次のタクシーを待っていました
タクシーが着いたという事で僕は足早に表に出ました
もう寒い寒い
急いでタクシーに乗り込みました
ハァーと一息ついて…
ですが、ドライバーさん中々ドアを閉めない
タクシーの中には寒い風
いい加減イライラしたので僕が言おうとした時、ドアは、ようやく閉まりました
ドライバー「どちらまでいきましょう?」
僕「○○の○○付近までお願いします」
ドライバー「かしこまりました」
居酒屋から自宅付近までは約20分ほど
僕は仕事の疲れと酒の酔いでボーとしてました
少し車を走らせた所で
ドライバー「お疲れですね
ご苦労様です」
僕「最近残業とか休みもなくて疲れがたまってますね…
寝ちゃいそうです(笑)」
と、遠回しに話しかけないでと言ったつもりだったんですが
もうドライバーさん
喋る喋る(笑)
関西っていう事もあるのかな
1人で喋ってる
僕は頷くだけ(笑)
でもね突然ドライバー黙りだしたんです
ようやく静かになったかと安堵した俺
でも急に黙るから気になるじゃないですか
後ろからドライバーさんの顔覗きこんだんです
そしたらドライバーさん
汗だくになってて目がウルウルしてる
何事かと
僕「どうしたんです
具合悪いんです?」
ドライバー「い…いえ大丈夫です…」
気になりますよね
やはり俺も関西人
つっこみます
僕「何かあったんですか?
どうしたんです?
具合悪いならここで降ろして貰って構わないですよ」
ドライバー「大丈夫…なんですがいやあの~」
しどろもどろのドライバーさん
ドライバー「実はお客さんのお連れ様の方が…突然…いなくなられまして…」
これ聞いた瞬間ドライバーさんに無理言って逃げるように降りましたよ
何なの本当
一気に酔いがさめましたよ
【了】