【第 44 話】 会計◆QAI42rkje6 様

『法事』

 

これは妹が小学五年生くらいの時に体験した出来事です。
当時はお盆の時期で、法事をしていました。
始まる前にお坊さんが餓鬼の話をして「部屋の隅には霊が出やすい」と言ったので、
母が「こっちくる?」と言いましたが私はそのままでした。(特に深い意味はありません)
それが終わってからお経が始まりました。
そして、お経を唱えている最中にクラッとしたと同時に目の前が何も見えないくらい
真っ暗になりました。(正座のままで倒れたりはしていなかった)

「    」

暗くなっている間に左ななめ後ろ(母や祖母や坊さんは右斜め前あたり、私は
母たちから見て左ななめ後ろの部屋の角にいた)から耳元で何か聞こえたんです。
お経が聞こえたとしても近すぎだったし、耳元に直接話すようなかんじでした。
体感時間は3秒くらいだったけど、一秒もたってないくらい一瞬でした。
それは男性の声の様だということ以外分からなくて、何を言ったのかもわかりませんでした。
家に帰るまで恥ずかしかったのか言わず、家について車を降りてから母に言ったら
「おじいちゃんが来てくれたんやわ」
といいましたが結局わからずに現在を過ごしています。体の方もこれといって
なんともないし害はなさそうだったんですが、
あれは何だったのか…
ただの眩暈だったのか…
餓鬼の話をしていて霊が寄ってきたのか…
本当に祖父が来てくれたのか…
おそらく一生分からずに過ごしていくのでしょう。

【了】