【第 61 話】 ぬこ ◆RMw3.cMGUE 様

『飛ぶもの』

 

これは私が唯一体験した不思議な出来事。
今から5年ほど前の早春の黄昏時、私は自転車をひきながらトボトボと家路をたどっていた。
時刻は5時半ごろだっただろうか。あたりは薄暗く大気もひんやりと冷たかった。
ふと空をみあげると白い光点が空を飛んでいるのがみえた。一瞬、飛行機かな?と思ったがよくみると動きがおかしかった。
その光点は左右にふらふらと移動しながら飛ぶという奇妙な動きをしていた。
それは東の空から西の空へと飛んでいきやがて私の視界から消えていった。
あの光は何だったのか、あれから5年たつが今でもわからない。


【了】