【第 31 話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様

『タイムシフト』

 

去年の百物語での話。

私は今年同様、去年もこの百物語の朗読を行っていた。
放送形式は今年と異なりニコ生だが。

最初は一人で読み続けることに不安を感じていたが、始まってみると20話くらいまではスムーズに読み続けることができた。

しかし、20話過ぎたあたりで急に疲れが押し寄せてきて、
ちょうど「神隠し」多発で朗読が追い付きそうだったので休憩をとることにした。

休憩中、タイムシフトを利用して自分の朗読を聞いていた。
朗読とかしたことある人はわかると思うが、自分の声というものは自分が思っているものとは大きく異なって聞こえるものだ。

しかし、ちょうど休憩に入る前の枠での自分の声は今までの自分の声とも自分が思っているものとも異なっていた。

なんか前枠より遠くでしゃべっているような…。

さらに、しばしばノイズが入ってくる。というより、自分以外の誰かが話に相槌を打っているような…。

そして枠の最後、ががががっと大きめのノイズが4つ入った。

詳しくは聞き取れないが、「あ、え、い、え」と何かしら訴えているような声が聞こえた。

休憩前の私は、単純につかれてるだけだったんだろうか…。

【了】